CATHAY CHICKEN RICE

何だかありがたい、お祈り済みのハラール・チキンライス

<BRAS BASAH COMPLEX>

ブラス・バサー・コンプレックスブラス・バサー・コンプレックス
かのラッフルズホテルの付近はチキンライスのお店が多い地域であることは知られているようで知られていないことなのではないかと思います。もっともここに限らず、シンガポールの街の中を歩いていると、妙に同じような店が集まっているところを見かけることがありますが、これには理由があるのです。移民の国であるシンガポールで多数を占めるのは中国系ですが、彼らは同じ出身地の人が同じ職業につく「一郷一業」という傾向があったそうなんです。さらに、これが進んで、同じ出身地の人たちが特定の地域に集まって住む形態になっていくわけなんですが、そのなごりが未だに残っているのです。例えば、リトルインディアの南から東周辺は、車関係の修理屋やタイヤ、部品のお店なんかがやけに多いのですが、これは自動車修理工が多かった福州人が居住していた地域のなごりがあるわけです。同じようなことはよく注意してみるとあちこちで見かけることができます。

フードコートの中フードコートの中
それで、ラッフルズホテルの周辺になぜチキンライスのお店が多いのかというと、この地域がチキンライスを郷土料理とする海南人の多いところだったからです。ものの本によると、海南人はコックやウエーター、欧米人家庭の使用人として働くものが多く、ホテルに近いこの地域に集まったのだというわけです。そのなごりがラッフルズホテル周辺のチキンライスなんですねえ。

さて、今日はラッフルズホテルの斜め裏にあるBRAS BASAH COMPLEXのフードコートに出かけてみました。前から気になっていたところで、HDB住宅の下にあるところです。行ってみて気がついたんですが、この建物の1階にお店がたくさんあるのですが、どういうわけか文房具と本屋さんばっかりなんですねえ。もしかしたら、これも一郷一業のなごりでしょうか。と、そんなことを思いつつ、足を進めます。

お店の正面お店の正面
XIANG MAN LOU (香満楼)というこのフードコート、ニューブリッジロード沿いにあるのですが、小さなところで、10軒程度のお店が入っているだけです。特に食べるものは決めていなかったので、例によって一番何が人気あるのか観察したところ、一番人気は何と日本料理!こんなローカルなところに日本料理のストールがあって、それが人気になっているんですからねえ、いやー、驚いてしまいます。で、まあ、日本人がローカルに混じって日本料理を食べてもねえというわけで、選らんだのがチキンライスでした。このお店、ただのチキンライスではありません。「ハラール」、つまりイスラム教の人が食べられるアラーの神にお祈りをささげた食事なんです。お店はセルフサービスで、チキンライスを待っている間、お店の壁を見たら、しっかりハラールの証明書が貼ってありました。

チキンチキン
ライスライス
何だか食べる前からありがたいこのチキンライス、鶏はさっくりした蒸しあがりです。どちらかというと淡白なうえ、決してジューシーではないのですが、鶏の力強さをそのまま生かしてあるような味です。食べ進むほど、おいしさが感じられるような一品。それからライスの方ですが、これがうまい!少し固めの炊き上がりなんですが、味がばっちりついていますし、しょうがが効いていて、鶏のうまさと一体になって、力強いおいしさを醸し出しています。スープの方は薄めで、まあまあといったところでしょうか。

全体的な総合点としては、完全な合格水準です。お店の真ん前で食べていたのですが、さすがハラール。マレー系の人たちも買っていきます。店のおやじも味があるおやじで、店頭に出てきていて、サーブの方は息子夫婦に任せながら、お客さんにいろいろ気を使っていたのが印象的でした。お値段は1人前セット3ドル50。フードコートの中では、みんなテレビを見ながら、気ままに食事を楽しんでいました。

<所在地:SINGAPORE STREET DIRECTORY MAP37 2-B参照>


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(96年12月14日取材)