それでは、カトンの中心地、イーストコーストロードにご案内しましょう。イーストコーストロード自体は、長い通りで、有名なUDMCシーフードセンター近くのシグラップロードあたりまでを言うのですが、ここでは、カトンの中心地と言われるカトンショッピングセンターのあるヘイグロードとの交差点から、スティルロードまでを取り上げ、ランドマークと楽しみどころをご紹介しましょう。
イーストコーストの楽しみは食べること!
名作カトンラクサの店イーストコーストロードは、シンガポーリアンにも非常によく知られた「フード・ストリート」です。ホーカーセンターがあるわけではないのですが、通りの両側にならぶショップハウスの1階には昔ながらの雰囲気を残す食べ物屋さんが建ち並び、特に週末になると、家族連れで食事を楽しむシンガポーリアンの姿が見られます。
このエリアは、私たちの自宅から比較的近くであることもあって、かなり食べ歩き、その中のおすすめ店のいくつかは「シンガポールうまいもの探訪」でご紹介してきましたが、他のお店も含めて、ここで再度まとめてみたいと思います。
カトンうまいもの探訪 @美味起骨鶏飯(カトンショッピングセンター)
うまいもの探訪の読者の方はもうご存じですね。このうまいチキンライスを!!もちろんベストに入れています。A加東力沙
これをしのぐラクサはあり得るのか!と思ってしまうくらいうまいラクサです。これもベストです。ラクサ好きの我々としては我がページの中でもトップにしたいお店です。Bカトン・バナナリーフレストラン
さっぱりしたフィッシュヘッドカレーです。セイロン・タミールの本拠地で食べるというところがいいですねえ。C加東素食館
チャイニーズ・ベジタリアン料理の有名店です。仏教徒の食の創造力の豊かさをご堪能あれ!D加東肉粽
ブギスやチャイナタウンなど、他にも支店を持つちまきの有名店。発祥はここです。E祥利燉山瑞
スタミナもりもりカメのスープ!暑いシンガポールで暮らす体力もつこうというものです。F海山街海記油鶏飯・麺
見た目よりもさっぱりしてます。ソース味のチキンライス。G安邦醸豆腐
オン・テンチョン大統領も食べに来るとか?!ちょっと変わり種のヨントーフです。H福安餐室
「ラクサッ!!」と吠える赤ら顔のおやじ!庶民感覚あふれるコーヒーショップです。I新海山菜館
夜のみの営業ですが、いつもいっぱいです。路上のテーブルで食べるこの雰囲気がたまりませんなあ。J釣魚台
台湾料理のお店です。味の方はまずまず。台湾料理っていうのは、日本の中華みたいでいいですよねえ。Kビストロ・シェ・モア
開店した頃は大変話題になりました。今も大人気のベトナム料理店です。Lペラナカン・イン
週末限定メニューのアヤム・シオは感動的なうまさ!そのほかにもおいしいものづくしの宝物のようなペラナカン料理店です。Mサンダニーズ・インドネシア
ボートキーの本店の方がはるかに有名ですね。インドネシア料理店です。N正興
同じペラカナン料理でも、大衆食堂のような雰囲気と家庭的なホッとするような味が売り物です。O宏安海鮮鶏飯
そりゃあ、カトンショッピングセンターよりは落ちますが、ここもいいチキンライスですよ。他のメニューもあります。P美園餐室
少し変わり種のワンタンミー。どちらかというと、チャーシューが売り物です。チキンライスや粥を出すコーナーもあります。Q富馨餐室
いろいろな店が入っているコーヒーショップ。プロウンミーやチャー・クウェイ・ティエオやシーフードもあります。
主要なランドマーク・お店などのご紹介
カトンショッピングセンター(地図@の位置です)
1973年に完成したシンガポールでも初期のショッピングセンターの一つです。洋服屋や服の生地のお店、コンピュータショップ、スーパーにフットマッサージまで、多種多様な種類のお店が入った建物で、雰囲気があやしいのが特徴です。結構人もいて、まずまず活気もあるのですが、このあやしさときたら、シンガポールでもトップクラスではないかと思うくらいです。
カトンショッピングセンター休日になると、近くのコンドミニアムや一軒家などの住み込みメイドをやっているフィリピンねえちゃんが集まってきます。メイドあっせん所などが入っていることもあって、情報交換などをするのでしょうね。
ここの「シンガポールうまいもの探訪」でもベストに入る味のチキンライスがある1階のフードコートのほかに、外にはオープンエアの食べ物屋さんがあり、プロウンミーやシーフードなどを楽しめます。結構おいしいですよ。
EAN KIAM PL.とMARSHALL ROADのショップハウス
イーストコーストロードから北側に入った通りです。ここのショップハウスには、今でも人が住んでいて、なかなかハイレベルな生活を送っているようです。パジャマ姿のばあちゃんが表でボーッと涼んでいたりするあたりが、カトンらしさを感じるところです。ドリアン屋台
EAN KIAM PL.の交差点のところに、ドリアン屋台があります。ドリアン屋台といえば、ブギス、チャイナタウン、ゲイランなどが有名ですが、同じような形式の屋台です。もちろん、その場で食べることもできるのですが、パックに密封してくれるので、お持ち帰りも可です。
ドリアン屋台ただ、ホテルへの持ち込みは注意しましょう。ホテルはたいていドリアンの持ち込みを「お断り」にしています。パックにしてあれば、持ちこむことは出来ると思いますが、部屋で食べた後のにおいに困ってしまう羽目になります。以前に、仕事の関係で日本から来たお客さんが、ドリアンをこっそり持ち込んだはいいが、部屋のにおいがとれず、バスルームの換気扇を回してもだめで、仕方なくドアを開けたら、廊下中ドリアンのにおいが充満してしまったということがありました。
スリ・センパガ・ヴィナヤガー寺院(地図Aの位置です)
セイロン・ロードを入ると、右側にカトン・バナナリーフ・レストラン、左側にヒンズー寺院が見えてきます。1929年に設立されたこの寺院は、セイロン・タミール人の拠点として知られるところです。実際に運営はシンガポール・セイロン・タミール・アソシエーションというところがやっているのですが、昔からの場所だということは、通りの名前が「セイロン・ロード」であることからも、わかりますよね。
スリ・センパガ・ヴィナヤガー寺院ちなみに、ここの向かいにある大邸宅は、広い敷地の中に高床式の家という、典型的な昔のカンポンスタイルの邸宅です。マレーシア・シンガポール文化を見て味わえますね。
嘉東麺包庁(KATONG BAKERY & CONFECTIONARY)(地図Bの位置です)
カトンプラザの前の歩道橋の付近に、ちょっと古い赤い建物が見えてきます。ここは、パン屋さんなのですが、これが実に有名なところで、カトンの観光地にもなっているのです。シンガポーリアンに「カトンのレッドハウス・ベーカリー」というと結構知っている人は多いはずです。
シンガポールのこころ!赤いパン屋しかし、ここは特に歴史的に意味がある建築物でもなければ、お店自体もパン屋さんで、有名なレストランでもありません。ここがシンガポーリアンに有名になっている理由は、「カトンらしい雰囲気」そのものであり、まさしくカトン文化の象徴的な存在であるからに他なりなりません。
中に入ってみると、本当に味のあるパン屋さんです。入り口のガラスケースの中には、いろいろな種類のパンやシュークリームなどが並べられ、左手のレジではおじいさんがていねいにパンを袋に入れて、売ってくれます。ガラスケースの裏では、コーヒーが飲めるようになっていて、入り口のところで選んだパンを食べながら、のんびりとコーヒーを楽しむのです。大理石の丸テーブルに木の椅子、カラカラまわる天井扇、ゆっくりした時間の流れが、昔ながらのシンガポールを味わわせてくれます。
心にしみるこの店内の雰囲気こういうところに来ると、カトン文化というかシンガポールの庶民文化の華を感じます。もちろん、HDBのホーカーやマーケットも庶民文化なのですが、こういうような昔ながらのシンガポールの町人文化が体験できるのは、ほとんどないと思います。まさしく「心のふるさと」ですね。
パラマウント・ホテル
イーストコーストロードで最大の、しかも歴史のあるホテルです。日本人はほとんど利用しませんが、インドネシアやタイあたりからのツアー客がよく利用しているようです。レストランではハイティーもやっているほか、時折ペナンのフードフェアなどもやっています。ショッピングセンターは、何だかさびれていて、お化けでも出そうなところまでありますよ。鄭萬源
カトンベーカリーの並びを東に進むと、「鄭萬源日夜市場」なる看板が見えてきます。薄暗い入り口の奧には、何やらバーのようなところが見えるのですが、ここはカトン最初のショッピングセンターだったところで、1950年代から60年代には東のエリアのショッピングの中心地だったそうです。
鄭萬源付近から西をのぞむ今は、ローカルのバー、ヘルスセンター、ゲームセンター、ビリヤード場などが入っています。これが本当にあやしいところで、昼間に行っても、独特のあやしさがただよっています。中に入っていくと、突如野天の広い駐車場があったりするあたりが、いったい何なんだ!と思ってしまいます。
ちなみに、入り口の看板にはあやしい日本語で「マッサージセンター」と書かれています。二階のヘルスセンターのことですが、賢明な読者の方はどういうことかお分かりでしょうね。
福安餐室(地図Cの位置です)
ここは、以前から「シンガポールうまいもの探訪」で紹介してきたところですが、これまたシンガポーリアンの間では割と知られているところのようです。こういうコーヒーショップというのは、カトン以外にもジャランベサールやラベンダー、バレスティアロードなど、比較的あちこちにあって、たいてい近所のおじさんたちが、新聞読みながら、のんびりビールなど飲んでいたりするのですが、自分たちの経験からすると、ここのコーヒーショップはもっと庶民的な感じがします。
赤ら顔のおやじが吠える!福安餐室コーヒーショップにしては、中に入っているお店が多いこと、土日には家族連れが多いことあたりに「庶民性」を感じます。決しておじさんの牙城ではないのです。お店のおじちゃん、おばちゃんも長屋に住んでいるご近所みたいな雰囲気で、何とも心暖まります。
ここのコーヒーショップで目立つのは、何といってもラクサ屋のおやじです。とにかくいつも通りがかりの人にまで「ラクサ!!」といって、大声で吠えています。このおやじ、いつもラクサのスープみたいな赤ら顔をしているので、うちでは「赤ら顔のラクサ」と呼んでいるのですが、これがまた、何とも人のよさそうで印象的なんです。私たちにとっては、シンガポールの思い出のひとつです。
これが赤ら顔のおやじです食べるものの方で有名なのは、通りに面したストールの豆腐です。うまいもの探訪のラクサのところで少し書いたのですが、とにかくすごい人気で、週末になると、テイクアウェイの人たちが行列しています。ローカルフードのご案内の本などにも掲載されていて、シンガポールの中でも有名なところのようですね。
潮萬發酒荘
ジョーチャット・ロードを過ぎて、もう少し東へ行ったTEMBELING ROADとの角にある雑貨屋さんです。日用雑貨はもちろん、お菓子やビール類なども売っているのですが、シーズンになると、表でドリアンを売っています。お店のおじさんは、さすがにこの付近は近所づきあいが残っているせいか、道行く人によく気軽に「おい、どうだ」みたいな感じで呼びかけています。ところで、このTEMBELING ROADはまっすぐ北に伸びていくのですが、車の少ない静かな通りですけれども、安宿があったり、日本の昔の田舎みたいな小さな雑貨兼駄菓子屋があったり、うれしくなってしまうようなところがちょこちょこあるのが楽しいところですよ。
CONA'S CONFECTIONARY
潮萬發酒荘の向かい付近になるのですが、これもレッド・ベーカリーと同じ系統のお店です。ただ、いつもやっているのかわからないような感じで、コーヒーを飲むテーブルも2つ程度隅の方にあるだけです。昔はやっていたらしいのですが、最近は道楽商売なんでしょうか。
イーストコーストのうまいもの屋街ここは夜になり店を閉めると、店が家族の食卓に早変わりしています。通りがかると、窓を開けっ放しにして、家族でテレビなんぞを見ながら食事をしています。まあ、庶民の生活ですね。ちなみに、ここの建物の黄色っぽい色合いが私は好きです。
この建物の並びは、同じようなショップハウスなのですが、とにかくお医者さんが多いのです。それにあわせ、薬屋さんもあります。本当に「町医者」ばかりなのですが、これまた庶民の生活を感じさせてくれます。
HOLY FAMILY CHURCH(地図Dの位置です)
カトンの歴史のパートで書いたように、1932年に建てられた歴史のある教会です。当時、この付近に多く住んでいたヨーロッパ人やユーラシアンなどの拠点となった教会で、カトンの歴史の一部といってもいいでしょう。今でも、大勢の信者で賑わっています。
ホーリー・ファミリー・チャーチちなみに、このあたりは教会が多いんですよねえ。ヨーロッパ人やユーラシアンが多かったということも理由にあるのですが、ペラナカンにもキリスト教の人は多いようで、それも理由の一つなのかもしれません。
カトン・アンティークハウス
教会の少し東側のペラナカン色の強いショップハウスの中に、「カトン・アンティークハウス」があります。ペラナカンのアンティークを扱うことで有名なお店で、国立博物館でやっているペラナカン展などの展示物もこのお店から多く提供されています。
隣はペラナカンレストラン!行ってみると、ノニャの人たちの服や靴、家具、飾りものなどが多く置いてあります。ペラナカン文化に興味のある人にとっては、こたえられないお店でしょうね。
ちなみに、この付近から再び食べ物屋さんが多くなります。カトン・アンティークハウスの並びには、ペラナカン料理のお店が2軒あります。ペラナカン料理というのは、シンガポールの中でもお店が限られていますが、印象的な料理が多いので、ぜひ一度試されるといいと思いますよ。
ディック・リーとカトンのこと シンガポールが生んだ天才シンガーソングライターのディック・リーも、実はカトンの生まれなのです。葭原麻衣さんが書かれた「シンガポール路地裏百科」によると、ディック・リーは広東系の母と、マレーの血が8分の1入っているペラナカン系人の父を両親に持ち、家で話すのはペラナカン語というペラナカン系シンガポーリアンなのだそうです。 同書でのインタビューの中で、シンガポールのどこで育ったのかという問いに対し、ディック・リーは次のようにカトンの話をしています。 「3歳まではカトン。カトンっていうのは高級住宅地として知られてるけど、ペラナカン文化が色濃く残っている地区としても知られてるんだ。アッパー・イースト・コースト・ロード沿いのカソリック教会ではペラナカン語で礼拝するし、教会の近くには昔ながらのペラナカン料理店や菓子店といったショップハウスが並んでいる。3歳の時にブキ・ティマに引っ越して、そこでずっと育ったけど、どうしてもカトンに足が向く。カトンが僕のふるさとっていう感じ」 ここにもカトンの姿が見えますね。
続いて「ジョーチャット・ロードのご案内」へどうぞ!
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