梹城特餐 Special Penang Food

衝撃のうまさ!ペナン仕立てのサワーラクサ

<CHANGI ROAD (MARZUKI)>

お店の前景 前回のチャイナタウンの長城餐室の粥を食べに行くときに乗ったタクシーのおじさんが、ローカルフードうんちく運ちゃんでした。タクシーに乗って、「今からチャイナタウンコンプレックスの隣のコーヒーショップに粥を食べに行くんだ」といったところ、「あそこは有名だ」というなり、始まりました。おやじのローカルフードご案内。結局、チャイナタウンに到着するまでの15分余にわたって、これはあそこがうまい、あれはここがうまいという話を延々としてくれました。日本でもそうですが、うまい大衆料理の店というのはタクシーの運転手は実によく知ってるんですよねえ。ずっと車に乗っているうちに、行列のある店は目に付くでしょうし、自分でも仕事の合間にあちこちで飯を食うわけですから、この情報収集力たるやすごいものがあるのもうなづけます。
この日はうっかりメモを持たずに出かけたので、とにかく記憶するのに必死だったのですが、その中でも一番印象に残っていたのが、チャンギロードにあるペナンフードでした。運ちゃんいわく、シンガポールでも最高のペナンフードだというのです。実はペナンフードがいかなるものかよく知らなかった私は、いろいろ尋ねたところ、「ラクサは色が黒くて、サワーだ。チャー・クウェイティェオは色が白くて、味が全然違う」というのです。おやじは他の話もどんどん話すので、結局場所については「チャンギロードのペナンフード専門のコーヒーショップ」という情報しか手に入りませんでした。しかし、こんなことでめげてはいけない!というわけで、地図を片手に、とにかくチャンギロードを端から端まで歩けば分かるだろうと、向かってみることにしました。

お店の中 チャンギロードは、西から来るとゲイランロードが途中から名前を変えた道なのですが、場所でいうと観光地でもあるマレービレッジ付近からMRTのケンバンガン駅の付近までの通りです。駅の区間でいうと、パヤレバ駅から2区間くらいの長さになります。西からスタートした私たちは、マレー色の濃いゲイランセライ付近から、ジョホール・バルあたりのショップハウスのような風景や、モスク、道教寺院、それにたまたま出くわしたマレーの結婚式なぞを横目に見つつ、ひたすら歩くこと30分弱。ついに、見つけました!結局、チャンギロードでも東の端、ケンバンガン駅に近いMARZUKIという道路との角に、じゃーん!「SPECIAL PENANG FOOD」の表示を発見したのです!
中はこぎれいなコーヒーショップです。店内は運ちゃんのいったとおり、全部ペナン料理の店になっています。到着したのが3時過ぎだったので、あまりお客がおらず、各ストールでも料理している様子がないので、心配したのですが、レジのようなところに座っていたおばさんに聞いたら、営業時間中だから大丈夫との返事。そこで、妻と二人でお目当てのラクサとチャー・クウェイ・ティェオを注文しました。まもなく両品登場!運ちゃんの話通りの風体に期待は高まります。食べてみるとこれが!衝撃のうまさ!ラクサとチャー・クウェイ・ティェオのこれまでの常識が覆されてしまいました。

ペナンラクサ まず、ラクサ。スープは、魚の干したものからとってあるような濃厚なものです。サバか何かのような味で、日本人にとっては懐かしい風味です。魚の香りは強烈なのですが、全然臭みがないんです。具は、きゅうり、大量の玉ねぎ、パイナップル、レタスなどで、全体に酸っぱい味がします。妻の話では「タマリンドー」なる豆の加工品が酸っぱさを出しているのではないかという話でした。麺はビーフンです。これは、一般のラクサと似ていて、つるつるっと食べられます。サーブされるときに、レンゲの中に濃いとろっとした醤油がついてきます。魚のダシが濃厚なだけではなく、そこにも煮込まれた干し魚がたまっていて、すくっては食べるとこれがまたおいしいんです。とにかく常識を覆されてしまった私たちは呆然としつつ、「こんなうまいラクサがあったとは!」と感激してしまいました。

チャー・クウェィ・ティェオ もう一品のチャー・クウェィ・ティェオの方もおいしかったですよ。風味がとにかくいいんです。具はもやし、フィッシュケーク、えび、中国ソーセージなんですが、この中国ソーセージのおいしさが全体にしみわたっていて、香ばしさを引き立てます。これに新鮮なもやしの香りが合わさって、いいにおい。味の方はさっぱりしていますが、弱くはなく、ソーセージのおいしさが全体を力強い味にしています。シンガポールのチャー・クウェィ・ティェオに比べると、卵が少ない分もたれない感じで、全体的な印象としては、純粋な「やきそば」っていう感じでしょうか。 麺はミーポックよりも少し太いくらいで、シンガポールのクウェィ・ティェオに比べると、横幅、厚みとも細くなっています。

お値段はそれぞれ3ドル。注文はレジのおばさんにして、レジでお金を払うのでご注意。いやー、それにしても、前にもペナンの料理はうまいと聞いてはいましたが、こんなに味付けが違って、こんなにおいしいとは思いませんでした。シンガポールでのペナンフード開拓もさることながら、今度休みを取って、ペナンに遊びに行こうと心に誓ったのでした。最後にタクシーの運ちゃんに感謝!

<所在地:SINGAPORE STREET DIRECTORY MAP219 1-B参照>


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(96年11月10日取材)